マカオ
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マカオ
中華人民共和国澳門特別行政区の1つ、通称マカオ
- 澳門、葡: Macau、
- 北京語拼音: Àomén アオメン、
- 広東語注音:Ou3mun4-2 オウムン
中国大陸南岸の珠江河口(珠江デルタ)に位置する旧ポルトガル植民地で、
現在はカジノと世界文化遺産を中心とした世界的な観光地としても知られる。
地理
マカオは中華人民共和国の珠江の最下流域に位置し、
この島は、もともとタイパ島とコロアネ島という二つの島であったが、島の間は埋め立てられてコタイと呼ぶ地域となり、全体がひとつの島のようになっている。
現在、半島部と旧タイパ島の間は3つの橋でつながれ、コタイから西に珠海市と結ぶ橋もできている。
概要
1999年までポルトガルの植民地であったマカオは、
- 中国大陸のヨーロッパ諸国の植民地の中ではもっとも古く、
- 域内に植民地時代の遺構が数多く点在する。
このため、2005年7月15日に、マカオの8つの広場と22の歴史的建造物がマカオ歴史地区という名前で世界文化遺産に登録された。
域内には多くのカジノが運営されていることから、
- 『東洋のラスベガス』とも言われており、
歴史的建造物とカジノが、香港や中華人民共和国本土をはじめとする東南アジア域内から多くの観光客をひきつけている事から、カジノやそれに隣接しているホテルを含む観光産業が盛んである。
また、毎年11月に市街地を使って行われるマカオグランプリは世界的に著名で、同じく多くの観光客をひきつけている。
経済
マカオの一人当たりの購買力はルクセンブルクに次ぐ世界トップクラスである。
アジアでは日本をも上回る。
マカオの経済は、
- ギャンブルを含む観光産業と
- 織物や衣類、
- 花火の生産に大きく依存しているが、
多角化に努めた結果、 - 小規模ながら玩具や造花、電子機器の製造も始まった。
織物や衣類は輸出金額のおよそ4分の3を占めているが、実際はGDPの40%程度、政府歳入の70%程度はギャンブルに依拠すると推測されている。なお、2005年度のGDPは116億アメリカドルに上る。
2000年には800万人を越える観光客がマカオを訪れた。
近年では、中華人民共和国本土からの訪問客が成長を押し上げる主な要因になっているが、香港からの観光客が現在でも最も多い他、台湾・日本をはじめとしたアジア各国・地域からの観光客がそれに続く。
カジノ
2002年には、カジノ経営権の国際入札を実施し、その結果これまで
- スタンレー・ホー経営の(STDM/澳門旅遊娯楽股份有限公司)が独占してきたギャンブルを含むカジノ産業を、
- 香港系の「ギャラクシー・カジノ(銀河娯楽場)」社と
- アメリカの「ウィン・リゾーツ(永利渡暇村)」社にも
開放した。
このことが功を奏し外国からの投資が急増し、2009年5月現在、
- 「リズボア(Lisboa、葡京娯楽場)」、
- 「グランド・リスボア(Grand Lisboa、新葡京)」、
- 「サンズ(Sands、金沙娯楽場)」、
- 「ウィン・マカオ(Wynn、永利澳門)」、
- 「ザ・ベネチアン・マカオ(Venetian Macao-Resort-Hotel、澳門威尼斯人度假村酒店)」
など20を超える大規模なカジノが運営されている。
これに伴い観光客も1999年の750万人から2005年の1900万人と倍増したように、観光産業の隆盛で経済は活況を呈しており、中華人民共和国本土の一部直轄市や省もマカオ入境を解禁した。
2006年のカジノ売り上げが69億5000万アメリカドル(約8400億円)に達し、
- これまで世界最大であったアメリカのラスベガスの推計65億ドルを超え、
- 世界最大のカジノ都市となった。
カジノ市場の対外開放からわずか4年でカジノ都市として世界首位に躍り出た背景には、膨張する中華人民共和国の経済からあふれ出る「チャイナ・マネー」と、新たな市場であるマカオの国際カジノ産業に流れ込む外資があると分析されている。